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執筆者の写真まつださえこ

私はヤドリギと鯛が推し

更新日:2021年12月7日

日曜日は夕方に差し掛かってようやく落ち着いたので、岡山天満屋の5階美術ギャラリーへ駆け込むようにして行ってきました。


岡田多恵ガラス展ー春待つこころー





飛ぶ鳥を落とす勢いのガラス作家さんで、全国引く手数多。そんな輝かしい世界にいて尚、いつも穏やかで心優しさを湛えた岡田さんは、ふわっとした距離感でお付き合いいただいているお着物仲間でもあります。

年に一度もお会いできるかどうか位ですが、お会いすればいつも心安く話しかけてくださって、嬉しい。

つい下世話な空気感を言葉に纏いがちな私なので、岡田さんの物腰に触れるときはいつも、(濁った私は直ちに立ち去れ〜ナムナム)と内心ハラハラしながらおしゃべりしてます。


直接作品を拝見するのは、今回が初。

どれも一点物で、岡田さんの人となりが生き写しになっているだろうデザインと配色、存在感です。どなたの個展に伺っても、その作家さんの人柄や人生観を拝見した感覚になりますが、それこそが作家作品の醍醐味の一つと、改めて腑に落ちた時間と空間でした。


私は、京友禅着物と作家着物の違いについてよく思い馳せるのですが、数多の職人の信念を作品の奥底へと閉じ込め、ひたすらに静寂を讃えたものが京友禅であり、一方の作家物は、その方の世界観が何層もの音の重なりになって感情豊かに奏でられている。

そんな感覚で両方を捉えています。もちろん是非の話ではなく、両方あるからどっちの良さも伝わるというもの。


正直に告白すると、私の好みと思考は京友禅寄りです。それでも、作家さんは作品に等身大を曝け出しているのだと思えばこそ、おいそれと真似できない大勝負です。全ての工程を自分だけを頼りにして進みつつ、時に身を切るような思いで実らせて、いつか開花させていく。岡田さんのように美しく佇むひとは皆、他の誰でもない、自分と戦っているんですよね。


ガラスの美しい器たちは、端から端までお嫁入りしていったようです。作品をお迎えした方は、作品を通して岡田さんの見てきた世界をも共有するのでしょう。

多恵さん、美しい世界を見せてくださってありがとうございます。芸術って相変わらずようわからんけども、作品から感じたのは芯の強さと唯一無二のユーモアでした。




そういえば。

着付け教室名に自分の名前をつけているあたり、私も小規模ながら勝負しているのだわと3周回ってはたと気がつきました。ゾッとしたようなしないような。




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