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【文庫結び】過去部屋から順次整理。基本編

  • 執筆者の写真: まつださえこ
    まつださえこ
  • 2021年4月20日
  • 読了時間: 3分

2020年、春から夏にかけて。

袋帯を使った文庫結びを研究してたときの文庫結びの数々。






完成形ばかりで、手順の過程を記録していなかったという痛恨のミス。悔やまれる!

インスタグラムに残した文章を拾いながら思い出しながら解説します。


【文庫結び〜テイストは時代劇風・オーソドックス・花嫁様の掛下帯】

時代劇の奥方様や、現代では白無垢花嫁様の掛下帯に使用するような、オーソドックスな文庫結び。袋帯で再現しています。


帯の長さは全て430m前後。幅は八寸。

緋・白・黄のどの帯もかなり分厚く硬いので、背中側でひと結びしていません。タレと手先の交差点を捻っているだけで、あとは帯枕でフォルムの高さを固定して帯締めで留めています。ちょっとした曲芸みたいですよ、ほんと。


今をときめく振袖のお嬢様方に結ぶには、ちょっと小振りすぎる文庫結びですね。しかも、三重紐不使用、帯枕だけで全ての重みと形を支えているので、成人式当日などの活動的な日には向いていないです。下手をするとフォルムがベローンと背中から離れて、垂れ下がっちゃうかもしれない、帯枕と帯締め頼みの仕上げ方ですから。

上手にすればいいじゃないかとおっしゃいますが、これがけっこう難しい。文庫結びの難しいポイントは左右対象の形作りだけでなく、その形をいかに背中できっちりキープさせ続けるか、です。


文庫結び風の飾り結びあれば、三重紐を使って似たような形に寄せつつ背中にキープさせていくことは比較的容易です。

が、しかし。

文庫結びオタクとしては「必ず古典的な手順!で最高の形・バランス」の追及に勤しむべしと、現在進行形で思い込んでいます。

近々手順動画を公開します。


さて。

文庫結びは、ひだのとり方(一つ半のひだにするのか、二つ山ひだにするのか)で印象が少しずつ変わります。上画像全て一つ半のひだで文庫結びしていますが、二つ山ひだで作る文庫結びの方が難易度は高いです。


さらにいうと、一般的な帯枕で文庫を作るのか、帯とう(文庫枕)や花嫁仕様の帯枕で文庫結びを作るのかでも難易度は変わります。私はごく一般的な帯枕を使用して結んでいますが、仕上げ切るまでに思考が大錯誤してました。帯とうを使わないという条件で、ひだの美しい、完成度の高い文庫結びを仕上げる難しさたるや…です。帯とうや花嫁仕様の帯枕を使用した方が、文庫を仕上げるのは簡単だと言うことです。


ちなみに、帯とうってこんなんです↓雰囲気伝わるかな。ググっていただくのをお勧めします。


背中心から左右対称に流れる羽の長さ・膨らみと流れ・ひだの陰影。

たおやかで美しく、限りなく無駄の省かれた飾り結び。

その名が文庫結びだと思います。


下の動画が、二つ山ひだでつくった文庫結びです。




この文庫を仕上げた当時は、これがベストのフォルムだと思っていました。


今はどうかな。少し背面方向へ出っ張りすぎているかなという印象。



次回。

以上の伝統的な印象の文庫結びを、現代の振袖女性に結んでもイケてるような形に作り直したバージョンを公開します。









 
 
 

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